2020

西アフリカの主食作物ギニアヤムの起源を解明(2020.12.8)

ギニアヤムはサバンナと熱帯雨林に生育する野生種の雑種起源

ヤマノイモ属の根菜作物を総称してヤム(Yam)と呼びます。ナガイモもヤムの一種です。世界のヤムの90%以上が生産される西アフリカ地域で最も重要なヤムは、ギニアヤムという種です。

今回、岩手生物工学研究センター(以下、「生工研」)では、300系統以上のギニアヤムの全ゲノム解読を進め、それらを現地の近縁野生種のゲノム配列と比較しました。その結果、ギニアヤムの起源が、サバンナ地帯に生育する野生種アビシニカヤマノイモと熱帯雨林地帯に生育する野生種プラエヘンシリスヤマノイモの雑種であることを、世界で初めて明らかにしました。今後、これらのゲノム情報を活用した品種改良により、野生種から、耐病性、収量性などに関わる性質をギニアヤムに効率的に導入することで、西アフリカの食料安全に寄与することが期待されます。

なお、本研究成果は、京都大学農学研究科、ナイジェリア国際農業研究センター(IITA)、国際農林水産業研究センター(JIRCAS)、総合研究大学院大学などとの国際共同研究によるもので、2020年12月3日(木)に、米国の国際学術誌「米科学アカデミー紀要」にオンライン掲載されました。

Yu Sugihara et al.

Genome Analyses Reveal the Hybrid Origin of the Staple Crop White Guinea Yam (Dioscorea rotundata) Proceedings of the National Academy of Sciences, U.S.A. (2020)

https://doi.org/10.1073/pnas.2015830117

詳細はこちら

チームメンバー出演! 金色の風テレビCM公開(2020.10.30)

のんさんが出演する岩手県産米「金色の風」のテレビCMが公開されました。新米記者「江刺のん」が「金色の風」のルーツを取材する「金色の風 誕生物語」となっております。

実験の模様や種子貯蔵庫、種子は当センターで撮影されたものです。

圃場のシーンは実際にチーム総出で稲刈りを行なっている風景が使われました。

(のんさんにインタビューを受けている阿部主任研究員と栽培研究会の高橋さんは残念ながら?俳優さんです。)

ほとんどのメンバーが少しずつ登場するフルVer.のCMはチームにとって良い記念になりそうです。

みなさま、「金色の風」をどうぞよろしくお願い申し上げます。

岩手県公式動画チャンネルでご視聴いただけます。

【フルVer】 https://youtu.be/0nYOTzDWM9Y

【TVCM15秒版】 https://youtu.be/8HyR5YvkCL4

稲実験材料採取(稲刈り)(2020.9.17)

イネ実験材料を収穫中です。鎌ではなく、ハサミを使って、1株ずつ封筒に収穫しています。

10月上旬まで続きます。台風が来ませんように!

アワ移植(2020.6.5 &10)

6月5日、ゲノム育種研究部・生物資源研究部では、岩手県農業研究センター県北農業研究所(軽米町)の圃場に研究材料であるアワやタカキビの苗の移植作業を行いました。当センターでは、県北農業研究所との共同研究で機能性成分「ルテイン」を多く含む短稈、多収アワの育種に取り組んでいます。移植し栽培したアワやタカキビを材料にして、有用な遺伝子の同定や機能解析、品種識別法の開発を行います。

また、10日には花巻市の現地圃場に共同研究で育成したアワ品種候補系統の移植作業を行いました。

今年度の田植え終了(2020.5.27-28)

5月25-27日、ゲノム育種研究部では、岩手県農業研究センターと合同で田植え作業を行いました。田植えには、共同研究を行っている京都大学大学院の学生や4月から園芸資源研究部に配属された研究員も参加しました。当センターでは、これまでに水稲の育種素材として1万数千系統を作出しました。維持するため定期的に田植えし、種子更新しています。今年度は4千系統を植え、更新していく予定です。今後は、安定多収低コスト生産を可能にするため、多収性、直播苗立ち性、高度耐冷性に寄与する遺伝子を同定し、その機能を解明することとしています。